コラム一覧偶然をキャリアに活かす![]() 小田美奈子さん
コーチ・キャリアカウンセラー
「20年間同じ仕事をしていたが、急な部署異動で未経験の仕事をすることになった」 ある電気メーカーの社員から聞いた話です。この春、同社では構造改革により、多くの社員が異動することになった。 環境変化の激しい時代、想定外の出来事が起こり、計画の変更を余儀なくされることも多々あります。環境変化の波は、個人のキャリアにも影響を及ぼしています。 スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱している「計画された偶然性理論(Planned Happenstance Theory)」では、「キャリアの80%は、偶然の出来事によって形成されている」という考え方を紹介しています。 クランボルツ教授は、数百人にのぼるビジネスパーソンのキャリアを分析した結果、「偶然の出来事は、人のキャリアに大きな影響を及ぼす」と結論を導き出しました。予期せぬ出来事をキャリアの機会ととらえることができた時、その出来事を「プランド・ハプンスタンス」と呼んでいます。 これまでのキャリアを振り返った時、“たまたま”の出来事や出会いによって、作られていることは多いのではないでしょうか? 下記は、筆者が接した2つの事例です(いずれも30代女性)。 【事例1】現在の職場(食品会社の研究所)で長く働きたいと思っていた矢先に、夫のアメリカ留学が決まった。2年間の休職を会社に打診したところ認められ、自分も大学に通いスキルアップの機会となった。 【事例2】転職先で配属された部署(健康関連事業)は、当初は不本意と感じ仕事内容に興味を持てなかった。経験するうちに心と体がつながっていることを知り、健康の大切さが分かり意欲がわいた。 このように想定外の出来事を受け入れることで、新たな展開になるケースが多くみられます。 筆者も9年前、たまたま手にとった雑誌でコーチングの考え方を知り、養成機関で勉強を始めたことがきっかけで現在の職業につながっています。 「計画された偶然性理論」をベースに、「偶然」からキャリアをつくった10人のストーリーが紹介されている本があります。 所由紀 著の「偶キャリ。『偶然』からキャリアをつくる」です。 松永真理さん(株式会社バンダイ取締役)をはじめ、各界で活躍されている10人が偶然の出来事や出会いを活かし、キャリアを積んでいくプロセスから勇気をもらえる一冊です。 『偶キャリ。』の中にも書かれていますが、偶然の出来事を「プランド・ハプンスタンス」に変える5つのスキル「好奇心・粘り強さ・柔軟性・楽観性・冒険心(リスクテイク)」が重要とされています。 環境変化の多い時代、これらのスキルを発揮することで、偶然を味方につけ自分にとって幸せなキャリアを歩みたいです。 <参考文献> ・「偶キャリ。『偶然』からキャリアをつくる」所由紀 著、リュウ・ブックス アステ新書 ・日本マンパワー「キャリアカウンセラー養成講座」テキスト (2009年11月13日 読売新聞)
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